イスラエル、ドバイ万博で農水産技術のイベントを開催

●砂漠・乾燥地帯に応用できる農業ソリューションで意見交換

●大規模な海洋牧場の整備プロジェクトも紹介

イスラエルが2月、ドバイ万博の食品・農業・家畜週間で、先端技術をテーマとするイベントを開催した。気候変動の影響が懸念されるなか、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)が提携を拡大することで共に利益を得られるという見方に立ち、知識を共有する場を提供する狙いだ。

イスラエル農業省の催しでは、官学の代表のほか、イスラエルとUAEの農業技術、アクセラレータ分野で活躍する女性などが参加し、さまざまなテーマでディスカッションを行った。

ネゲヴ砂漠の農場経営者シャロン・チェリー氏は、2014年の設立以来、イスラエルでは知られていなかったゴーヤやウコンを手始めに、16種の作物を栽培するまでに至った過程を振り返り、その苦労を語った。気候管理システムを導入することで砂漠の長所を活かすことができるようになり、1年を通じて栽培しているという。同氏は独自の卸事業も運営している。

アフリカの新興企業L4Gベンチャーズは、イスラエルの海洋作業会社や研究開発事業者、生物学者などと提携し、インド洋のセーシェルとモーリシャスの領海に大規模な海洋牧場を整備するプロジェクトに投資した。同社はドバイに企業を設置し、海洋牧場に必要なプラットフォーム建設で地元の造船会社と強力な提携関係を築いている。

ユダヤ民族基金(KKL-JNF)の催しでは、砂漠農業、食の安全性改善に向けた革新的なアプローチについて意見が交換された。スタートアップ・プラットフォームの「スタートアップ・ネイション・セントラル」、ラマト・ハネゲヴ地方及びアラヴァ地方のイスラエル砂漠農業研究センターの関係者のほか、砂漠農業を実践するパイオニアやワイン農家大手が参加した。

会議では、学術的な革新技術をどう商業化するか、そして、研究を通じて、新しいソリューションをどう開発し市場導入まで育てるかというテーマで発表が行われた。KKL-JNFのカリン・ボルトン渉外部長は「砂漠研究開発分野で活躍する人々が交流するだけでなく、乾燥地帯に広く応用できるイノベーションモデルを実際に作り出す場を提供できれば」と催しの意図を説明した。

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