●民間大手の同社株は対ロ制裁を受けて急落
●「戦闘の即時停止、交渉と外交的手段による解決」を強く求める
ロシア石油2位のルクオイルは3日、ロシアのウクライナ軍事侵攻の即時終結を求める声明を発表した。停戦に向けた両国間の交渉を支援する立場だ。ロシアの大企業が戦争継続に反対する立場を公にしたのは初めて。欧米などの対ロシア制裁で株価が急落する中、自社への悪影響を回避したい意図があるとみられている。
ルクオイルのプレスリリースによると、同社取締役会は「ウクライナで続いている悲劇的な出来事に大きな懸念を抱き、この悲劇に見舞われている全ての人の気持ちに心を寄せる」としたうえで、「戦闘の即時停止、交渉と外交的手段による解決を強く支持する」という立場を表明した。そして、「世界の消費者にエネルギーを安定供給できるよう全力を尽くす」とともに、「平和、国際関係、人道的関係の強化」に務めると付け加えた。
ロスネフチ、ガスプロムなどと異なり、ルクオイルは民間企業だ。ロンドン証取に上場しており、経営陣が多数株を保有する。欧米の厳しい制裁措置が明らかになって以来、ルクオイルの米国預託証券(ADR)価格は急激に下落。同証取が取引を中止した3月3日には0.72米ドルをつけていた。過去1年の最高値は108.25ドルだった。