新型コロナ新規感染の記録更新続く、規制緩和を多くの州が4月初旬に先送り

新型コロナウイルス新規感染の記録更新が続いている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、9日の新規感染者数は26万2,752人となり、初めて25万人を突破。人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数(7日間の発生数)も13日に1,526.8人となり、初めて1,500人を超えた。政府・与党は20日から感染防止のための規制を大幅に緩和する法案を作成したが、州や野党、専門家だけでなく、与党内からも法案の見直しを求める声が出ている。屋内でのマスク着用義務を大部分、解除することへの批判が強い。

7日間の感染者数は現在も増え続けており、15日には1,585.4人に達した。人口10万人当たりの直近7日間の新規入院者数も7日の6.06人を直近の底に増加傾向にあり、15日には7.21人となった。重症化・死亡リスクが高い60歳以上に限ると15.45人に上る。新型コロナ患者による集中治療病床使用率は14日12時15分時点で10.3%となり、4日連続で上昇した。

政府は9日の閣議で感染防止法改正案を了承した。議会の承認を経て20日付で施行されると、マスク着用義務は地域公共交通機関や病院、介護施設などに限定され、小売店や飲食店、スポーツ観戦では廃止される。

感染者数と入院者数が増えるなかで、感染防止への寄与度の高いマスク着用義務を大幅に緩和することはリスクが高く、バーデン・ヴュルテンベルク州のヴィンフリート・クレッチュマン首相は国政与党の緑の党に所属するにもかかわらず、「感染防止の有効な手段を連邦政府が手放すことは重過失だ」と強く批判した。同州やバイエルン、ハンブルクなど多くの州は改正法案の施行後、同法案で認められている移行期間ルールを活用し、規制緩和を4月初旬まで先送りする意向だ。

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