自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は23日、同社とスペイン子会社セアトがサプライヤーと共同でスペインに総額70億ユーロ超を投資する計画を明らかにした。電動車のバリューチェーンを同国に構築する方針で、バレンシアには電池セル工場を建設する。
スペイン政府は電動車とコネクテッドカー分野の産業競争力を高めるため、PETREという名の支援プロジェクトを行う。VWは政府が4月に開始する同プロジェクトの入札に参加。落札して補助金を獲得できれば、「フューチャー:ファスト・フォワード」という名の同計画を実施する。
バレンシアの新工場は独ザルツギターに続くVWグループ2カ所目のセル工場で、量産車用の次世代セル(統一セル)を生産する。生産能力は年40ギガワット時(GWh)。年末までに着工し、2026年から量産を開始する計画だ。3,000人以上の雇用を見込んでいる。
同地に白羽の矢を立てたのは◇質の高い労働力を確保できる◇補助金を獲得できる見通しがある◇物流上の利便性が高い◇セル工場が必要とする量の再生可能エネルギーを確保できる――ため。
VWは電池セル工場を欧州の計6カ所に設置し、生産能力で240GWhを確保することを計画している。高級車用のセルは協業先のノースボルトがスウェーデンのシェレフテオで生産する。