印タタ製鉄、オフ・ガスの脱炭素化に下水汚泥のバクテリアを利用

インド鉄鋼大手のタタ製鉄は3月24日、英サウスウェールズ州にある国内最大規模のポート・タルボット製鉄所で、高炉から排出される未利用のガス(オフ・ガス)の脱炭素化に下水汚泥に含まれる特別なバクテリアを活用する試験事業を開始したと発表した。一酸化炭素と二酸化炭素の両方を捕捉・分解するバクテリアの働きにより、オフ・ガスに含まれる炭素の最大98%を分解できるという。バクテリアの排出物に含まれる有機化合物を使い様々な分野で商業利用するための研究も進める。

同事業はサウスウェールズ大学と協力して行う。同大学のリアノン・チャルマースブラウン博士によると、バクテリアの排出物には酢酸や揮発性脂肪酸が含まれており、塗料や生分解性ポリマー、動物用飼料などへの用途・応用が考えられる。同博士はまた、実験データを収集して生物学的反応について理解するためには、まだ多くの作業が必要だと付け加えた。

タタ製鉄は2050年までに欧州事業のカーボンニュートラルを実現するとともに、30年までに二酸化炭素(CO2)排出量を30%削減する目標を掲げている。

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