独フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手MANトラック・アンド・バスは3月30日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて実施している操業短縮を拡大すると発表した。サプライヤーがウクライナで製造するワイヤーハーネス(組み電線)の供給が大幅に減少し、トラック生産に大きな支障が出ていることを受けた措置。バス生産事業は影響をほとんど受けていない。
同社は14日、本社所在地ミュンヘンとポーランドのクラクフでトラック生産を停止した。独ニュルンベルク、ザルツギター、ヴィットリヒ工場でも生産が大幅に滞っている。
これを受けすでにミュンヘン、ニュルンベルク、ザルツギター、ヴィットリヒの拠点では工場労働者の操業時間を短縮。国に操短手当の支給を申請している。今後は操短を管理部門にも拡大する。これに伴いドイツ拠点では操短の対象者がピーク時に1万1,000人に達する見通しだ。国外の拠点ではそれぞれの国の法規に基づいて対処する。
MANはすでに、組み電線の調達先をウクライナ以外の国に移す準備を進めているが、実現には数カ月を要することから、4-6月期もトラック生産は大幅に滞る見通しだ。このため、すでに発注した顧客に対してはキャンセルと新たな条件での契約を打診している。