ロシア国民、西側企業のロシア回帰を予想

●企業が1年以内にロシア事業を再開するとみる割合は40%以上

●撤退企業の資産の扱いについては39%が国有化を支持

対ロシア制裁に伴う西側企業の同国事業の縮小・撤退の動きについて、ロシア国民が比較的楽観的な見方をしていることがわかった。モスクワのシナジー大学(モスクワ産業金融大学)がこのほど行った調査によると、西側企業が1年以内にロシア事業を再開するとみるロシア人の割合は40%以上に上る。

2月24日にロシア軍がウクライナへの侵攻を開始して以来、約450の西側企業がロシアでの事業を中止した。しかし事業を中断するか縮小しただけの企業が多く、大企業の多くは完全撤退を拒んでいる。米イェール大学が500以上の企業を対象とした調査では、欧州系企業はこれまでの投資額や収益を考慮し事業を継続するか、世論に合わせて撤退するか対応が分かれている。

シナジー大学の調査によると、ロシア事業の再開に3年から5年かかるとみるロシア人の割合は26%、5年から10年とみる者の割合は24%だった。外国企業の撤退が国内経済に悪影響を及ぼすとみる者は24%で、ほとんど影響しないとみる者は40%に上った。好影響をもたらすと考える者も36%いた。

西側企業の撤退がもたらすプラスの側面については、43%が外国メーカーへの依存度の低下を挙げたほか、23%が西側の政策に合わせる必要がなくなると答え、18%は国内ビジネスの発展が促されると回答した。

輸入品の代替については、回答者の58%がロシア企業は外国ブランドの製品を代替することができるとの見方を示し、42%は一部代替が可能とした。ロシア企業以外で西側企業の製品を代替する企業については、47%が中国企業と回答し、インド企業とした者が25%、トルコ企業が19%、CIS(独立国家共同体)諸国の企業が9%だった。

同国から撤退した企業の資産の扱いについては、回答者の39%が国有化を支持した。西側諸国による個人制裁については55%が不当であるとの見方を示した一方、それを支持する者の割合は17%だった。

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