ロシアが新車の安全・環境基準を緩和、部品不足で

ロシア政府が12日、新車の安全・環境基準の時限的緩和を閣議決定していた事実
が、17日までに明らかになった。ウクライナ侵攻で発動された制裁によって、部品
が調達できなくなっているためだ。基準緩和措置の期限は来年2月1日までとなって
いる。
閣議決定によると、エアバッグと、シートベルトのプリテンショナーが必須装備か
ら外れた。また、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)、ESC(横滑り防止装
置)、エマージェンシー・シグナル・システムも義務ではなくなる。
環境基準では触媒の装備が任意となった。触媒が輸入できないためで、事実上、排
ガス制限がなくなることになる。これは、1988年に適用されていた基準並みとい
う。
ロシア政府は今月初め、自動車・部品などを含む数百種の品目について、知的財産
権所有者との合意なしに輸入することを認める決定を下した。欧州などからの制裁
を迂回する狙いだ。
プーチン大統領は制裁の影響が限定的であるという立場を繰り返し表明している
が、専門家は経済への打撃が深刻化するのはこれからとみている。

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