トルコのパスポートが「完全国産化」される。シュレイマン・ソイル内相によると「試験生産を終えた」ところで、8月の新規発行・更新・変更手続きから新旅券を導入する予定だ。運転免許証と、旧トルコ国民に発給される身分証明書(ブルーカード)もデザインが刷新される。
新旅券の表紙には従来の「Turkey」ではなく「Türkiye」が印刷されている。トルコ科学技術研究協議会の開発したOS「AKIS」を搭載したICがついており、以前より「さらに安全」になるという。
しかし、データ保護の観点からは別の場所から懸念が浮上している。というのも、「緊急時」に備える個人情報のバックアップ保存で、ハンガリーと交渉中というのだ。これは、「両国がお互いに相手国の国民のデータをあらかじめ保存し、緊急時における旅券の発行をスムーズに行えるよう備える」というもの。ただでさえ個人情報のセキュリティが緩いと言われるトルコで、データ保護をめぐる状況が悪化すると心配されている。
IT業界関係者は、「トルコは国土が大きいのだから、国内の離れた場所にバックアップコピーをおいておけば良いはず」と首をかしげる。エルドアン大統領がハンガリーのオルバン首相と気が合うのがわかるが、国民の情報を互いに保存することで、一体どういう良いことがあるのか、はかりかねるところだ。