カタールが24年にも独へのLNG供給開始

ドイツ政府は20日、カタールとエネルギー分野で協業することで基本合意した。カタールからLNG(液化天然ガス)の供給を受けることが最も緊急性の高い案件。カタールのムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー副首相はこれについて2024年にも供給を開始する考えを明らかにした。これまでは供給開始が26年になると見込まれていたが、大幅に前倒しされることになる。

ドイツはロシアのウクライナ侵攻を受け、エネルギーの供給源を多様化しロシア産化石燃料への高い依存から早急に脱却する方針を打ち出した。ロベルト・ハーベック経済・気候相はその一環で3月にカタールを訪問。カタールとの間でエネルギーの長期パートナーシップを結ぶことで口頭合意した。

今回の基本合意はこれを具体化するための第一歩。カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー首長などがベルリンを訪問し、調印した。LNGのほか、グリーン水素、再生可能エネルギー電力の分野で緊密に協業する。

カタールはペルシャ湾にあるノースドーム・ガス田の採掘能力を26年までに現在の年7,700万トンから1億2,600万トンに拡大することを計画している。このためドイツへの本格的なLNG輸出開始は同年になるとされていた。

だが、ムハンマド・ビン・アブドゥルラフマン・アール・サーニー副首相は今回『ハンデルスブラット』紙に、国営企業カタール・エナジーが米テキサス州に持つLNG輸出ターミナル「ゴールデンパス」からドイツ向けの輸出を24年に開始する意向を表明した。ノースドーム・ガス田からの供給も25年に開始できる可能性があるとしている。カタール・エナジーはゴールデンパスの資本70%を持つ。

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