鋼管大手の仏バローレックは19日、独2工場の閉鎖計画を発表した。独事業は7年前から大幅赤字を計上し、同社の経営を強く圧迫していることから、石油・天然ガス採掘用シームレス鋼管の生産を低コストのブラジルに移管する。フィリップ・ギルモ社長は「最悪の場合、中期的みてバローレック・グループ全体の存続が危ぶまれる」と述べ、理解を求めた。
デュッセルドルフのラート地区にある工場と、ミュールハイム・アン・デア・ルールにある工場を来年末までに閉鎖する。計2,400人の従業員が影響を受ける。同社は2年前にデュッセルドルフのライスホルツ工場を閉鎖したばかり。2015年からこれまでにドイツで計1,400人を整理している。
経営陣はラート工場とミュールハイム工場の売却手続きを昨年11月に開始した。金融投資会社3社が関心を示したものの、買収提示額と買収後の事業計画に問題があったことから、同社は売却を断念。閉鎖決定に踏み切った。