独自動車用ワイヤーハーネス大手のレオニは23日、自動車向けの標準・特殊ケーブルや充電ケーブルなどを製造する事業をビジネスグループ・オートモーティブ・ケーブルソリューションズ(BG AM)に集約し、タイのケーブル・電線メーカーであるスターク・コーポレーション(Stark Corporation)に売却すると発表した。今回の事業売却により、資金繰りを改善する。今後はワイヤーハーネス事業に注力していく方針を示している。
BG AMは、世界7カ国に10拠点を持ち、従業員約3,300人を抱える。2021年の売上高は約13億ユーロだった。企業価値は5億6,000万ユーロと評価されており、レオニは今回の事業売却により、金融債務や年金費用を差し引いた後の資金(キャッシュインフロー)として4億ユーロ超を確保できる見通し。
■ 新株・転換社債の発行により5,000万ユーロの調達検討
レオニは22日、2022年以降の融資延長や見直しなどについて債権者と協議する中で、新株または転換社債の発行により新たに約5,000万ユーロを調達する計画を検討していると発表した。
メディア報道によると、同社はこれまでも黒字確保が課題となっていたが、部品供給の停滞やエネルギーコストの上昇、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などが財務基盤に影響しているもよう。レオニはウクライナに2工場を持つ。