再生エネの英オクトパスが独で発電事業に参入

再生可能エネルギーの英スタートアップ企業オクトパス・エナジーは9日、ドイツで発電事業に参入すると発表した。ドイツは欧州最大の人口を持つうえ、再生エネの普及促進に政府が注力していることから、将来性が高いと判断。同国での発電事業を今後、速やかに拡大していく考えだ。

フランクフルトの北東およそ130キロのバート・ヘルスフェルト近郊で計画されている風力発電プロジェクト「ガイスヘッケ(Gaishecke)」の権利を取得した。数週間以内に着工し、ヴェスタス製のタービン10基を設置。来年末から稼働させる。発電容量は35メガワット(MW)で、4万世帯の年消費量に相当する約10万メガワット時(MWh)を発電する。同社はさらなる風力、ソーラー発電パークの設置を通して、2030年までにドイツで計1,200MWの発電容量を確保する意向だ。

オクトパスは16年の設立後、急速に事業を拡大し、英業界大手に成長した。全世界で計300万世帯以上の顧客を持つ。

ドイツ市場には20年に参入した。21年11月からは米テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」を利用する顧客向けに再生エネを供給している。顧客数は昨年、12万世帯超となり、前年の4倍に拡大した。24年末までに100万世帯へ増やことを目指している。

英国では同社の風力発電パークの近隣に住む住民に割引サービスを提供する「ファンクラブ」という商品を昨年、投入した。発電量が多い時間帯の料金を最大50%引き下げるというものだ。この商品をドイツにも投入する。

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