電気電子工業会(ZVEI)が15日発表したドイツの4月の電機製品輸出高は前年同月比1.9%増の177億ユーロに拡大したものの、増加幅はこれまでに比べ小さかった。1~4月の累計は755億ユーロで、前年同期を4.3%上回っている。
主要な仕向け先で4月の輸出が大きく伸びたのは米国で、前年同月比17.1%増の18億ユーロに拡大した。増加幅はここ数カ月、大きい。
欧州連合(EU)加盟国向けは1.2%増の90億ユーロと小幅な伸びにとどまった。平均を上回る伸び率となったのはオランダ(6.7%増の10億ユーロ)とポーランド(3.0%増の8億2,600万ユーロ)の2カ国のみ。加盟国最大の輸出先であるフランスは0.7%増の11億ユーロだった。イタリア(2.2%減の9億2,800万ユーロ)とチェコ(5.6%減の7億7,000万ユーロ)は縮小した。
中国は20億ユーロで最大の仕向け先国となったものの、増加幅は0.2%にとどまった。
ウクライナに軍事侵攻し西側の制裁を受けるロシア向けは81.8%減の5,600万ユーロと激減した。戦場となっているウクライナ向けも44.6%減の2,300万ユーロへと落ち込んだ。
4月の電機製品輸入高は前年同月比12.4%増の189億ユーロと大幅に伸び、輸出高を12億ユーロ上回った。1~4月も12.7%増の795億ユーロと2ケタ増を記録。ドイツは電機分野で40億ユーロの貿易赤字を計上した。同分野ではこれまで長年、貿易黒字を計上してきたが、このところ変調が起きている。
ウクライナからの4月の輸入高は戦争にもかかわらず前年同月比2.1%増の5,800億ユーロに拡大した。1~4月も前年同期を1.4%上回る2億2,600万ユーロへと増えている。