現代・起亜などに立ち入り調査、排ガス不正容疑で

韓国の現代自動車と同子会社の起亜自動車、および米サプライヤー大手ボルグワーナーの事務所を対象にドイツとルクセンブルクの検察当局が28日、それぞれ立ち入り調査を実施した。現代と起亜のディーゼル車に違法な排ガス制御ソフトウエアが搭載されていた疑いがあり、詐欺およびほう助の容疑が持たれている。

ドイツではフランクフルト市を中心とするライン・マイン地域にある現代と起亜の拠点が捜査の対象となった。同市には起亜の欧州統括拠点、隣接するオッフェンバッハ市には現代の独・欧州統括拠点、マイン川河口に近いリュッセルスハイム市には両社の研究開発拠点がある。フランクフルト検察当局は捜査官およそ140人を投入してメールやソフト、計画文書などを押収した。ルクセンブルクではニーダーケルシェンにあるボルグワーナーの拠点が対象となった。

検察によると、現代と起亜が2020年まで販売していたすべてのディーゼルエンジン搭載車(排気量1.1~2.2リットル)に違法なソフトが用いられていた疑いがある。同ソフトは台上試験と路上走行の違いを認識。排ガス浄化機能が台上試験でのみ適切に働くよう設定されていたという。ソフトは米デルファイ(現ボルグワーナー)が開発した。

現代と起亜は欧州排ガス基準を満たしていないにもかかわらず、同ソフト搭載車を「ユーロ5」「ユーロ6」対応として販売していたことから、詐欺の疑いが持たれている。ドイツでの販売台数は計21万台強に上る。

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