BASF―電池の商業リサイクルを24年開始―

化学大手の独BASFは20日、独東部のシュヴァルツハイデ工場で車載電池の商業リサイクルを2024年初頭に開始すると発表した。処理能力は年1万5,000トン。約30人の雇用を創出する。

リサイクル設備を同工場内に設置。廃電池を粉砕して得られる黒い粉末に湿式製錬処理を施し、正極材の主要材料であるリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを高比率で取り出す。

再生原料を用いると正極材の生産で発生する二酸化炭素(CO2)の量(カーボンフットプリント)はバージン原料を使用する場合に比べ最大60%減少する。自動車メーカーは自社モデルのカーボンフットプリント削減に取り組んでいることから、再生原料を使用した正極材のニーズは大きい。電池の原料となる鉱物は供給不足で価格が高騰していることから、再生原料の実用化は安定供給と価格高騰の抑制にもつながる。

BASFは昨年6月、電池の効率的なリサイクル技術を実現するため、シュヴァルツハイデ工場内に電池リサイクルの試作設備を設置すると発表した。同設備は23年初頭の操業開始を予定している。

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