ハンガリー中銀が13会合連続で利上げ、政策金利7.75%に

●上げ幅は市場予測の0.5ポイントを上回る1.85ポイント

●インフレ率は今年秋ごろにピークとの予想

ハンガリー中央銀行は6月28日、政策金利を1.85ポイント引き上げ、7.75%にすると発表した。利上げは13会合連続。市場は0.5ポイントの上げ幅を予想していた。ロシアのウクライナ侵攻が物価を押し上げる中、インフレリスクを下げるため大幅な追加利上げに踏み切った。

政策金利の下限となる翌日物貸出金利は5.9%から7.25%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は8.9%から10.25%に、それぞれ1.35ポイント引き上げた。

同国の5月のインフレ率は前月から1.2ポイント増の10.7%となり、14カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。これは2001年5月(10.8%)と同等の水準。商品価格やエネルギー価格の高騰にウクライナ戦争が拍車をかけており、特に食料品の上昇は全体のほぼ半分を占めている。中銀は今後について、今年の秋ごろピークに達した後緩やかに下降し、2024年に目標値の3%まで後退すると予想する。年間のインフレ率予想は今年が11~12.6%と、3月時の7.5~9.8%から引き上げた。来年は6.8~9.2%とみている。

同国経済について中銀は、家計消費を中心に内需の伸びが成長に貢献するものの、輸出が伸び悩むため、今年の下半期に減速するとの見通しを示した。

中銀は声明で、インフレの上振れリスクが一層強まっており、コモディティとエネルギー価格の持続的な高騰がインフレ圧力を高めていると指摘。強い内需と賃金の上昇がインフレを高進させるとしたうえで、インフレ期待を抑えるため厳格な金融政策を長期間維持するとともに、物価や市場の安定に向けてあらゆる手段を講じるとしている。

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