カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は7日、政府に対して石油輸出
ルートの多様化を命じた。ロシアの裁判所が前日に、カスピ海パイプライン連合
(CPC)に対して30日間の業務停止を命じたことと関連するとみられている。
カザフスタンは、欧州へ石油を輸出するにはロシアを経由するしかない。CPCは世
界の石油供給の1%を占める。1970年代のオイルショック以来の混乱に見舞われて
いる石油市場がさらに打撃を受けるのは必至だ。
トカエフ大統領は、ロシアを迂回するカスピ海パイプラインを新設して欧州に石油
を供給するプロジェクトについて調査を開始することも命じた。
ロシアの裁判所の判決が下る前に、トカエフ大統領は欧州のエネルギー調達に協力
する姿勢を示していた。事情に詳しい専門家のなかには、大統領が先月、親ロシア
派の支配するウクライナのルハンスクとドネツクを独立国と認めることを拒否した
ことも、CPCの業務停止につながったとみる向きもある。
カザフは可採埋蔵量70億〜100億バレルのテンギス油田を擁する。2021年は日量53
万4,000バレルを生産した。