独自動車部品大手のマーレは7月4日、耐久性に優れ、小型で軽量、高効率の電気モーター(トラクションモーター)「Superior Continuous Torque(SCT)E-motor」を開発したと発表した。ドイツのハノーバーで9月に開催される商用車の国際自動車見本市(IAA)に出展する予定。当該電気モーターは、顧客の希望に応じてレアアース(希土類)であるネオジム磁石を使用せずに生産することができる。
マーレは2021年に、広範囲の回転数(rpm)で効率的に作動する乗用車用のトラクションモーターを発表した。これに対し、新開発のSCT電気モーターは、特定のrpm範囲内で特に効率的に作動するように設計されている。また、コンパクトで軽量な設計にもかかわらず、連続出力はピーク出力の90%以上となっている。これにより、電気トラックの山道での走行など、厳しい条件下での使用が可能になり、幅広い車種への搭載が可能になった。
SCT電気モーターには新しいオイル冷却コンセプトを採用している。マーレによると、これにより、堅牢性が向上するほか、発生した廃熱を車両全体のシステムに活用することができる。このほか、当該電気モーターは、コンパクトな設計により、軽量化に加え、材料コストを低減できる利点もある。