ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した6月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で97.9(暫定値)となり、前月を0.4%上回った。増加は2カ月ぶり。同指数はロシアのウクライナ侵攻を受け3月に大きく落ち込んだものの、その後は5月を除き緩やかに増加している。ただ、サプライチェーンのひっ迫、ロシア産天然ガスの供給削減、戦争の先行き不透明感などマイナス材料が多く、大幅な改善は当面、期待できない状況だ。
6月の指数を部門別でみると、製造業は0.7%増加し、3カ月連続で上昇した。中間財が0.3%、投資財が1.0%、消費財が1.1%の幅で伸びた。投資財の増加は3カ月連続。
製造業の各業界をみると、自動車・自動車部品は5.5%増となり、前月に引き続き大幅に拡大した。機械(0.4%増)、製紙(2.2%増)、食品・飼料(2.0%増)も前月を上回った。金属製品は2.1%減、化学は0.7%減だった。
エネルギーは横ばいだった。指数は86.2ポイントと極めて低い水準にある。
建設は0.8%減となり、4カ月連続で落ち込んだ。
5月の鉱工業生産は当初の0.2%増から0.1%減へと下方修正された。
第2四半期(4~6月)の鉱工業生産は前期を1.3%下回った。