露アフトワズ、イジェフスク工場の従業員に自主退職を勧告

●同工場は対ロ制裁による部品調達難で操業を停止している

●退職者は平均月額給与の5~7倍か最低賃金の約12倍が退職金に

ロシアの自動車最大手アフトワズはこのほど、国内中部のイジェフスク工場の一部従業員に自主退職を勧告した。あくまでも任意で、大量解雇は計画していないという。同工場は今年3月、ウクライナ戦争を受けた対ロシア経済制裁による部品調達難で操業を停止した。筆頭株主であるルノーグループの出資撤退がさらに追い打ちをかけ、生産再開は困難となっている。

イジェフスク工場では3月の操業停止で従業員約3,200人が一時帰休となった。自主退職を申し出た従業員には、18 万3,348ルーブル(約3,161ドル)を上限に、平均月額給与の5~7倍、あるいは最低賃金の約12倍を退職金として支払うとしている。

ロシアの自動車業界は、世界的な半導体部品不足に加え、外国資本の撤退などで生産活動に甚大な影響を受けている。ロイター通信によると、ウクライナ侵攻以降、同国業界の売上は8割以上落ち込み、政府によると今年通年の売上高は前年を5割下回る見通しだ。多くの工場は一時帰休か時短により解雇を回避する方針とみられる。

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