中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は12日、ハンガリー東部のデブ
レツェンにギガファクトリー(大規模工場)を設置すると発表した。電池セルの生
産能力は年間100ギガワット時(GWh)。投資額は同国のグリーンフィールド投資と
して過去最大の73億4,000万ユーロに上る。年内に着工予定で、製品はメルセデス
ベンツをはじめ欧州の自動車メーカーに供給する。
新工場の敷地面積は221ヘクタール。CATLにとり、年内に操業開始予定の独エアフ
ルト工場に次ぐ2番目の欧州工場となる。同社はデブレツェンがメルセデスベンツ
のほか、BMW、ステランティス、フォルクスワーゲン(VW)など既存顧客の生産拠
点に近く、製品ニーズに迅速に対応できると強調している。メルセデスベンツはす
でに、完全電気自動車(BEV)の「EQS」と「EQE」などにCATLのバッテリーを採用
している。
CATLはこれまで欧州市場向けのセル部品を中国から輸入してきた。電動車用バッテ
リーの循環的なバリューチェーンを構築するため、電池材料の生産施設を欧州に設
置することも検討している。
ハンガリーのシーヤールト外務貿易相は「CATLの巨額投資により、世界有数のバッ
テリー生産拠点としてのハンガリーの地位をさらに強化することができる」と述べ
た。