ポーランドKGHM、SMR導入でルーマニア国営原発運営業者と提携

ポーランドの精銅大手KGHMとルーマニア国営の原発運営事業者SNニュークリアエレ
クトリカは6日、小型モジュール炉(SMR)の導入で提携することで基本合意書に調
印した。ポーランドにとっては、天然ガス調達における対ロシア依存脱却に向けた
さらなる一歩を意味する。
具体的には、3年間にわたり、SMRプロジェクトで得られた技術・経済・司法・財
務・運営管理の各分野における知識やノウハウを共有する。立地選定から稼働に至
るあらゆる段階で両社の経験を分かち合うことで、安全・堅固かつコスト効率の高
いSMRプロジェクトの運営を目指す。
KGHMのマルチン・フルジンスキ最高経営責任者(CEO)は、原子力の活用が「エネ
ルギー分野における独立と、コスト低下につながる」と話し、SMR技術の導入が
ポーランド経済の大きな支えになるとの考えを示した。
ニュークリアエレクトリカのコスミン・ギツCEOは、世界の国々がエネルギー安全
保障の確保、脱炭素化目標の達成を目指すなか、SMRへの関心が高まっているとい
う認識を示した。そして、ルーマニアが「欧州各国に先駆けて、現時点で国際的な
型式認定を受けている唯一のSMRである、米ニュースケールのSMR技術開発に乗り出
した」とし、「経験の共有などを通じてKGHMを支援していく」と抱負を語った。
ニュークリアエレクトリカは昨年11月、ニュースケールとSMR建設で提携。KGHMも
今年2月にニュースケールと同様の提携を結び、2029年までに第1号機の稼働を目指
している。

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