BMW―新電池セル開発、円筒形でアーキテクチャーに最適化―

高級乗用車大手の独BMWは9日、電動車に搭載する新たなリチウムイオン電池セルを開発したと発表した。同社第6世代の新電池セルは新しいアーキテクチャーを踏まえ、これまでの角型から円筒形へと変更されている。2025年以降に市場投入するモデルに搭載する計画だ。

新セルは従来品に比べエネルギー密度が20%上昇。電圧を800ボルトとしたことで充電時間は30%短縮される。航続距離は最大30%伸びる。

生産時に発生する二酸化炭素(CO2)の量は再生可能エネルギー電力とリサイクル原料の投入を通して60%引き下げる。原料ではニッケルとシリコンの含有量を増やす一方で、採掘に際して人権・環境上の問題が指摘されているコバルトは減らした。生産コストは50%低下する。

同社はセルを内製しない方針を取っており、生産は中国メーカーCATLとEVEエナジーに委託する。両社はギガファクトリーを中国と欧州にそれぞれ2カ所建設。各工場の年産能力は最大20ギガワット時(GWh)となる。BMWは米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)圏内でも電池の生産を委託する考え。委託先は現時点で決まっていない。

上部へスクロール