ドイツ政府の経済安定化基金(WSF)は13日夜、保有するルフトハンザ航空株6.2%を場外取引で投資家に売却した。これで同社からの資本撤退を完了。ルフトハンザは公的支援を完全に脱却した。
ルフトハンザはコロナ禍で経営が急速に悪化した2020年、政府と交渉し総額90億ユーロの支援枠を確保した。具体的には◇国の政策金融機関ドイツ復興金融公庫(KfW)が民間銀行と共同で30億ユーロの協調融資を行う◇WSFが決議権のない出資を最大57億ユーロ実施するほか、第三者割当増資も引き受けて株式20%を1株当たり2.56ユーロで取得する――を取り決めた。
同社は昨年11月までにKfWの融資と決議権のない出資を完済。WSFは23年10月までに全保有株を手放すことになっていた。今回の売却でこの義務を果たした。
ルフトハンザ株20%強の売却総額は10億7,000万ユーロ。売却価格は取得価格を大幅に上回ったことから、国は同社支援を通して7億6,000万ユーロの利益を確保した。