フォルクスワーゲン―ユミコアと正極材を合弁生産、安定調達に向け―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は26日、ベルギーの非鉄金属大手ユミコアと車載電池材料を生産する合弁会社の設立で合意したと発表した。電動車の普及拡大に伴い需要が増える電池正極材を、競争力を保てる価格で安定調達する狙い。ユミコアには販売先を安定的に確保できるメリットがある。

VWの電池子会社パワーコとユミコアが折半出資の合弁をブリュッセルに設立する。投資額は両社合わせて30億ユーロ。社名は決まっていない。

2025年から正極材と前駆物質の生産を開始し、パワーコの欧州工場(ギガファクトリー)に供給する。年産能力は26年時点で40ギガワット時(GWh)。30年までに電気自動車(BEV)220万台分に相当する160GWh体制を構築する計画だ。ユミコアは正極材分野の知財権とノウハウをライセンスの形で新会社に供与する。両社は将来的に、リサイクリング事業も合弁展開することを視野に入れている。

正極材は電池セルコストの約50%を占める中核部品。電池の原料価格が高騰するなか、これを安定した価格で長期調達できるかどうかは自動車メーカーの競争力を大きく左右する。

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