ポーランドPGNiG、ノルウェー・エクイノールから天然ガスを調達

●ロシアに代わる調達先を確保する取り組みの一環

●今回の契約による輸入量はポーランドの年間需要の約15%分

ポーランド国営の石油・天然ガス大手PGNiGは23日、ノルウェーの同業エクイノールと天然ガス調達契約に調印した。両国を結ぶ新パイプライン「バルチック・パイプ」を経由して、来年初めから10年間にわたり年24億立方メートルを購入する。暖房需要の高まる冬を前に、ロシアに代わる調達先を確保するポーランド政府の取り組みの一環だ。

ポーランドはこの春、天然ガス代金のルーブル建て決済を求めるロシアの要求を拒否。これを機に同国からの供給がストップしている。代替調達経路としては、国内液化天然ガス(LNG)基地、隣国の送ガス網との接続管に加え、バルチック・パイプが重視されている。今回の契約によるノルウェーからの輸入量はポーランドの年間需要のおよそ15%に匹敵する。

バルチック・パイプはノルウェー、デンマーク、ポーランドを結ぶパイプラインで、10月初めに運営が始まる予定だ。来年1月に本格稼働すると、年間輸送能力は100億立方メートルに拡大する。PGNiGはこのうち80億立方メートルの輸送能力を確保している。

バルチック・パイプ経由の調達先は、◇PGNiGが権益を持つノルウェーのオフショア鉱区(推定生産量は来年30億立方メートル、2027年に最大40億立方メートル)◇エクイノール(今回の契約)◇デンマークのオルステッド(年間約10億立方メートル)◇ノルウェーのオフショア鉱区のプロジェクトに参加する他の企業数社――となる。すでに公表されている調達量を合計すると65億立方メートルに上る。

ポーランドは従来、およそ90億立方メートルをロシアから調達してきた。

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