ドイツ連邦雇用庁(BA)が9月30日発表した同月の失業者数は248万6,000人となり、前月を6万2,000人下回った。季節要因を加味したベースでは1万4,000人増えたものの、これはウクライナ難民の多くが失業登録したことに起因しており、この要因を除けば減少したという。アンドレア・ナーレス長官は「物価の上昇とエネルギー不足懸念にもかかわらず、労働市場は依然として全体的に安定している」と述べた。
失業率は5.4%で、前月を0.2ポイント下回った。前年同月比は横ばい。
国際労働機関(ILO)基準の8月の失業率は3.0%で、前月を0.2ポイント下回った。
9月の求人件数は87万3,000件で、前年同月を7万4,000件上回った。季節要因を加味した前月比では1万1,000件減少しており、求人指数BA-X(2015年=100)は前月を2ポイント下回る132へと低下した。
エネルギーコストの上昇を受けて生産を縮小するメーカーがこのところ増えているが、雇用情勢の悪化を明確に示すデータは今のところない。国の操短手当を7月に受給した人は約10万人で、前月の約25万人から減少。6カ月連続で縮小した。ただ、連邦統計局によると、8月の就労者数は季節調整ベースで1年半ぶりに増加が止まっており、労働市場の勢いはやや弱まっている可能性がある。