独コンチネンタルの子会社で車載組込ソフトウエアを供給しているエレクトロビット(EB)は9月22日、半導体大手の蘭NXPと協力し、次世代の電気自動車(EV)向けのバッテリー管理システム(BMS)のソフトウエア・プラットフォームを開発すると発表した。BMS開発の初期コストの削減と、NXPの高電圧BMSリファレンスデザイン(HVBMS RD)の使いやすさの向上が期待される。
両社が開発するプラットフォームはエレクトロビットの「Classic AUTOSAR」ツールをベースとし、HVBMS RDの機能をサポートするもの。BMSのマイクロコントローラーとバッテリーセル・コントローラーの通信を端的に処理(抽象化)できるようにし、相互作用を制御することで、EVの高電圧BMS(HVBMS)アーキテクチャーの開発を容易にする。
EVへのニーズが多様化するのに伴い、EVバッテリーの技術は400ボルト(V)や800Vの高電圧領域で急速に進歩している。これら高電圧バッテリーは強力かつ複雑な構造のため、EVの安全性と信頼性の確保に向けてBMSアーキテクチャーの刷新が求められている。
NXPのHVBMS RDは、バッテリーの管理ユニット(BMU)とジャンクションボックス(BJB)、およびセル監視ユニット(CMU)の3点で構成される。自動車用機能安全規格の最高水準「ASIL-D」に対応し、拡張性が高いことから、自動車OEMやティア1企業はHVBMSの採用が容易になり、独自のアプリケーション機能の開発に専念できる。