自動車大手の米フォードが独ケルン工場での小型車「フィエスタ」の生産終了を従来計画の2024年から23年6月に前倒しする。英メディアが報じ同社が26日に追認したもので、独法人のマルティン・ザンダー社長は「新たな電気自動車モデルのためにケルン工場が必要となる」と述べた。欧州で需要が急速に伸びる電気自動車(BEV)の市場投入を加速する考えだ。同工場での内燃機関車生産は終止符を打つことになる。
ケルン工場にはBEVの生産に向け約20億ドルを投資する。これに伴い内燃機関車の生産を段階的に終了する意向で、生産ライン1本を現在、内燃機関車用からBEV用へと切り替えているところだ。このBEV用のラインではコンパクトクラスのSUVを生産する計画。同社が欧州市場に初投入するBEVとなる。提携先の独フォルクスワーゲン(VW)からBEV車台「MEB」の供給を受ける。
フィエスタの生産終了を前倒しすることで、同社はBEV専用の2本目の生産ラインを速やかに設置する。フィエスタは英国など欧州の主要市場で販売が減少傾向にある。利益率も低いことからBEVへの切り替えを迅速に進める。