●インフレ率の昨年5月からの上げ幅の合計は68.92ポイント
●インフレ率の上昇は頭打ち、短期的に低下するとの見方も
トルコ統計局(TUIK)が3日発表した10月の消費者物価指数(CPI)の上げ幅は前年同月比で85.51%となり、前月の83.45%から一段と拡大した。通貨リラ安が食料やエネルギーなどの輸入品価格の高騰を招いている。インフレ率の上昇は17カ月連続で、昨年5月(16.59%)からの上げ幅の合計は68.92ポイントに達する。
上昇率を分野別にみると、構成比重の大きい「食品・非アルコール飲料」で前月の93.05%から6ポイント増の99.05%、「家具・家庭用品」で3.95ポイント増の93.63%、「住居費・公益料金」で0.5ポイント増の85.17%に拡大し全体を押し上げた。
上げ幅が最も大きかったのは「運輸(自動車燃料含む)」で、117.15%(前月117.66%)に達した。「アルコール飲料・たばこ」は4.6ポイント減の77.88%だった。
同国の中央銀行は前回会合まで3回連続で利下げを行い、政策金利を14%から10.5%まで引き下げた。高インフレ下で低金利を維持する異例の措置だが、次回会合で9%まで下げるのを最後に、緩和サイクルを終了する意向を示している。市場には通貨リラの為替相場に大きな変動が無ければインフレ率の上昇は頭打ちとなり、短期的に低下するとの見方がある。