化学大手ランクセスのマティアス・ツァッヒェルト社長は9日の決算発表で、ドイツ本国への投資を抑制する考えを表明した。エネルギー価格の高騰と「過度の規制」を踏まえた措置で、競争力を維持するために最低限度、必要な水準へと引き下げる。
同社はこれまで、ドイツに年1億5,000万~2億ユーロを投資してきた。今年は最大でも1億ユーロにとどめる。
同社長は中国への投資も抑制する考えを示した。対米投資は積極的に行う。
決算発表では2022年12月期の利益見通しを引き下げた。エネルギーコストが大幅に上昇しているうえ、需要が弱含んでいるためで、営業利益(EBITDA、特別要因を除く)を従来予測の「最大10億ユーロ」から「9億~9億5,000万ユーロ」へと下方修正した。21年12月期の実績は8億1,500万ユーロ。
7-9月期(第3四半期)の営業利益は2億4,000万ユーロで、前年同期を4.8%上回った。エネルギーと調達コストの上昇分を顧客に部分転嫁したことが反映されている。売上高は38.2%増の21億8,500万ユーロと大幅に増えており、売上高営業利益率は前年同期の14.5%から11.0%に低下した。純利益は8.1%増の8,000万ユーロだった。