欧州自動車大手のステランティスは17日、ハンガリーの人工知能(AI)・自動運転
技術スタートアップ、AIモーティブ(aiMotive)を買収すると発表した。自動運転
の技術力強化が目的。自社の自動運転システム「STLA オートドライブ」の開発を
加速させるとともに、必要な人材を確保する狙いもある。買収後もAIモーティブの
独立性は維持する。
AIモーティブの製品ポートフォリオは、◇自動運転ソフトウエア・プラットフォー
ム「aiドライブ」◇シリコン製の車載マイクロチップ「aiウエア」◇自動運転シ
ミュレーションシステム「aiシム」◇AIの運用とデータ処理ツール「aiデータ」—
—の4つからなる。同社はステランティスの子会社となった後も「aiドライブ」を
除く3製品の販売を続ける。
ステランティスは4つの車両プラットフォーム(STLAスモール、STLAミディアム、
STLAラージ、STLAフレーム)のほか、STLAオートドライブを含む3つの車載技術プ
ラットフォーム(STLAブレイン、STLAスマートコックピット)を展開している。同
社は経営戦略「デア・フォワード2030」の一環でソフト開発に注力する方針を打ち
出しており、2025年までに電動化と合わせて300億ユーロを投資する計画だ。
AIモーティブはブダペストに本社を置き、ドイツ、米国、日本に拠点を持つ。従業
員数は全世界で約200人。ステランティスは同社の先進的なソリューションを取り
込むことで、自社のAIおよび自動運転の中核技術が補強されると期待する。