ドイツ抵当証券銀行連盟(vdp)は10日、国内不動産価格指数vdpインデックス(2010年=100)が第3四半期は192.8となり、前期を1.0%下回ったと発表した。不動産価格の低下は2011年以来で11年ぶり。金利の上昇、高インフレ、実質収入の減少、政治・経済的な先行き不透明感が反映されている。イエンス・トルクミット専務理事は「長年続いた住宅不動産価格の上昇は終わった」と断言した。ただ、「ドイツの不動産市場は難しい時期でも常に力強さを示してきた。今回もそうなるでしょう」とも述べ、市場価格が大幅に落ち込むことはないとの認識を示唆した。
vdpは金融機関700行強の不動産取引データをもとに同指数を算出している。今年第3四半期は住宅、業務用でともに数値が低下。下落幅は住宅で0.7%、業務用で2.2%に上った。業務用の内訳はオフィスが1.6%減、小売店舗が3.9%減だった。
住宅価格は主要7都市でも0.7%低下した。7都市すべてで下落。下げ幅は最も大きいミュンヘンで1.5%、最も小さいベルリンで0.1%に上った。
賃貸住宅の家賃(新規契約)は1.6%上昇した。住宅が不足しているうえ、ロシアのウクライナ進攻に伴い難民が増えたことが背景にある。