トルコの物価上昇が鈍化、11月インフレ率84.4%

トルコ統計局(TUIK)が5日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で
84.4%となり、24年来の最高値(85.5%)を記録した前月から1.1ポイント低下し
た。インフレ率が下降するのは17カ月ぶり。国別ランキングでは欧州で最悪、世界
でも7番目に悪かった。
食品、燃料など価格変動の激しい品目を除いたコアインフレ率は前月の70.5%から
68.9%へ低下した。製品群別インフレ鈍化に貢献したのは衣料品のみだった。
中央銀行は先月27日、年末のインフレ予測を従来の60%(最高64%)から65%(最
高68%)へ上方修正した。昨年12月の物価上昇率が年間36.0%と高かったため、今
年12月はインフレが急激に鈍化するとみている。ただし、この予測は通貨リラの対
米ドル相場が大幅には悪化しないという前提に立っている。
トルコの政策金利は先月24日に再び1.5ポイント引き下げられ、9%に設定された。
8月以来の利下げ幅は合わせて5ポイントに達した。
11月の生産者価格指数(PPI)は前年同月比で136.2%上昇した。過去最大の上げ幅
を記録した前月に比べると、上昇率は21.7ポイント低下した。前月比の上昇率は0.
74%となり、過去2年余りで最低水準となった。
なお、世論調査によると、トルコでは公式統計に対する国民の不信感が高まってい
る。実際に、独立系研究者で作るENAインフレーション・リサーチグループの報告
では、11月の物価上昇率は170.7%に上った。ただ、10月に比べると14.6ポイント
低下しており、インフレの勢いにブレーキがかかったのは確かなようだ。

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