フォルクスワーゲン―米市場向けBEV生産を鴻海科技に委託も―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が米国市場に投入予定の電気自動車(BEV)「スカウト」を電子機器受託生産 (EMS)最大手である台湾の鴻海科技(フォックスコン)に生産委託するとの観測が浮上している。独業界紙『アウトモビルボッヘ』が報じたもので、現在は交渉の初期段階にあり、成約するかどうかは定かでないという。VWは報道内容へのコメントを控えている。

スカウトは米インターナショナル・ハーベスター(米商用車大手ナビスター・インターナショナルの前身企業)が製造していたオフロード車。VWはナビスターを昨年、買収した際、スカウトのブランド権も取得した。

同社は5月、スカウトブランドのピックアップとSUVのBEVモデルを米国市場に投入すると発表した。同国で人気の高い両セグメントに参入することで、VWグループの米市場シェアを2030年までに現在の4%から10%に拡大する目標だ。

VWはスカウトの設計、開発、生産をすべて同国で行う。来年にもプロトタイプの第1号を公開。26年から量産を開始する。

生産についてはテネシー州チャタヌーガの自社工場で自ら行うことのほか、外部企業に委託することを検討している。委託先として車両受託生産の墺マグナ・シュタイアとフォックスコンが候補に上がっているもようだ。

生産を委託することでコストを削減できる。スカウトが独立したブランドであることを消費者にアピールしやすいというメリットもある。

フォックスコンはBEV事業への進出を計画している。同紙によると、BEV生産に向け米自動車大手ゼネラルモーターズからオハイオ州にある旧工場を1年半前に取得したという。

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