高級乗用車大手の独BMWは1日、先進的な銅採掘技術を持つ米国のスタートアップ企業ジェッティ・リソーシズに資本参加すると発表した。銅は電動車の増加に伴い使用量が増える金属であることから、同社はジェッティに出資することで環境負荷の小さい銅を確保し、カーボンフットプリントを改善する考えだ。
ジェッティはコロラド州に本社を置く2014年設立の企業。同社はこれまで採算が合わないとして利用されてこなかった低品位鉱、および坑道掘進などのために掘削されるものの価値が低いため廃棄される廃石から銅を取り出す技術を持つ。世界の銅資源の約70%は低品位鉱であることから、同社の技術を活用すると銅の生産量を大幅に増やすことができる。
ジェッティは化学処理工程で発生する二酸化炭素(CO2)の量が従来法に比べ約40%少ない精錬技術も開発した。水の使用量も約50%減らすことができる。
銅は電動車のパワートレインで大量に使用される。BMWは自社製品に占める電気自動車(BEV)の割合を30年までに50%以上に引き上げる計画のため、今回の出資を通してジェッティの技術を用いた鉱山開発・精銅を促進。自社で必要とする量の銅を確保するとともに、製品ライフサイクル全体で排出されるCO2の量を削減する。