天然ゴムのサプライチェーンを透明化、マーカー技術をコンチネンタルが共同開発

自動車部品大手の独コンチネンタルは7日、化学物質を用いたデジタルトラッキング技術を手がける豪セキュリティ・マターズ(SMX)と共同で天然ゴム用のマーカー物質の開発に成功したと発表した。自社で用いる天然ゴムに投入し、サプライチェーンを透明化する意向だ。

SMXは化学物質ベースの「バーコード」を使用して物質に変更不能なマーキングを行う独自技術を持つ。実地テストでは両社が開発したマーカー物質を収穫直後のラテックス(ゴムノキの樹液)に混入し、天然ゴムへと加工。この天然ゴムをコンチネンタルのタイヤに投入した。専用の読み取り機とソフトウエアで調べたところ、同物質は天然ゴムのなかでもタイヤのなかでも全く変化していないことが確認された。タイヤの外見と性能は従来品と変わらない。

コンチネンタルのタイヤ部門で持続可能性業務を統括するクラウス・ペチック氏は、「マーカー技術には長期的にみて、わが社のサプライチェーンの部分的に極めて複雑なプロセスをより透明で検証可能なものにする可能性ある」と期待感を示した。

同社は今後、マーカー技術をゴム調達のより広い分野に投入するとともに、タイヤ以外のゴム製品にも対象を広げていく考えだ。本格投入後はブロックチェーン技術も活用し、データ偽造をできなくすることを視野に入れている。

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