EBRD、フォード・オトサンに2億ユーロを協調融資

●BEV、PHVの量産を支援し、トルコの環境目標達成に貢献する

●フォード・オトサンは30年までに自社の炭素中立化を目指す

欧州復興開発銀行(EBRD)は12月29日、トルコ自動車大手フォード・オトサンに2億ユーロの協調融資を実施すると発表した。2021年の総額6億5,000万ユーロの融資枠供与契約に基づく動きだ。同社の電池式電動車(BEV)・ハイブリッド車(PHV)の量産を支援することで、トルコの環境目標達成に貢献する狙い。

フォード・オトサンは、コジャエリ工場でコンピュータ統合生産を導入してBEV、PHVを量産する計画を進めている。また、女性のキャリアアップを支える企業規準・実務の実現、サプライヤーのデジタル統合も目指している。

今回の融資では、EBRDが5,400万ユーロを、シンジケートパートナーが最大1億4,600万ユーロを負担する。協調融資にはEBRDのほか、グリーン・フォー・グロース・ファンド(GGF)、英HSBC、三菱UFGフィナンシャル・グループ(MUFG)、仏ソシエテ・ジェネラル、蘭資産運用会社IFXなどが参加する。A/Bローンの枠組みを利用するため、幹事を務めるEBRDが名義上、融資全額の貸し手となる。

フォード・オトサンは欧州における商用車大手で、トルコで3工場、ルーマニアで1工場を運営する。自社の炭素中立化を2030年までに、調達先および物流では35年までに、大型商用車を含む自社製品では40年までに達成する目標だ。

同社には地元の複合企業コチ・グループと米フォードが41%ずつ出資する。残る18%はイスタンブール証券取引所で取引されている。

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