スイスの電池メーカー、ルクランシェは11日、スウェーデン海運大手のステナRoRoと仏フェリー大手のブリタニー・フェリーズから、ハイブリッド(HV)大型フェリー2隻向けに容量11.3メガワット時(MWh)の液冷式バッテリーシステム「ナビウスMRS-3(Navius MRS-3)」を2ケ台の規模で受注したと発表した。同システムを搭載したRoPax(カーフェリー)船はHVフェリーとして世界最大級となる。2024年と25年の納入を予定する。
「ナビウスMRS-3」はルクランシェのマリンラックシステム(MRS)製品の第3世代で、エネルギー密度が前世代製品より最大50%高い。バッテリー蓄電システム(BESS)は46個のバッテリー・ストリングで構成し冗長性を確保している。最大電圧は940ボルトで、耐用年数は10年。バッテリーセルはルクランシェのドイツ工場から調達し、スイス国内の工場でシステムとして組み立てる。
ステナRoRoとブリタニー・フェリーズが共同開発した「Eフレクサー(E-Flexer)」型RoPax船(大型フェリー)は全長195メートル。ブリタニー・フェリーズがこの2隻を10年間チャーターし、英国のポーツマスとフランスのサン・マロおよびカーンの間を運航することになっている。