ポーランドのAI音声スタートアップ、200万ドルを調達

●全言語対応化と併せ、動画自動吹き替えソフトの開発を強化

●AI音声ソリューションは今年、最も注目される分野の一つに

ポーランドのAI音声スタートアップ、イレブンラブス(ElevenLabs)は23日、プレシードラウンドで、チェコのクレドベンチャーズなどから総額200万米ドルを調達したと発表した。読み上げソフトの全言語対応化を図るとともに、動画自動吹き替えソフトの開発を強化する。

イレブンラブスは同時に、長文にも対応する読み上げソフトのベータ版の公開も発表した。現在使えるのはポーランド語と英語だ。主に書籍出版社やジャーナリスト、コンテンツ制作者の利用を見込む。

このソフトは、人工知能(AI)を活用して、人が話すときのイントネーションや強勢などをリアルに再現できるという。文脈に合わせて読む能力もある。音声クローン、人工音声設計ができるツールも備える。2月からは、わずか5秒の音声サンプルから元の声を再現する音声合成ステーションも使えるようになる。

イレブンラブスの短期目標は、同ソフトの全言語対応化だ。長期的には、話し言葉をリアルタイムで他言語に翻訳し音声で出力するソリューションの開発を目指している。映画の吹き替えや生放送、リアルタイムコミュニケーション(電話、オンライン会議など)などで需要を見込んでいる。

AI音声ソリューション分野は今年、最も注目される分野の一つになると予想される。イレブンラブス以外にもウクライナのリスピーチャー、カナダのリセンブルAI、米ウェルセッド・ラブスなどのスタートアップがしのぎを削る。加えてマイクロソフトやアップルなどIT大手の動きも顕著だ。他社に先駆けて優秀なソフトが開発できるかどうか、そのスピード感が勝敗のカギを握る。

イレブンラブス社ホームページ

https://beta.elevenlabs.io/

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