電子商取引大手(EC)の米アマゾンは23日、ブラザー工業のプリンター用カートリッジの偽造品を販売するドイツのネットワークを相手取り、ブラザーと共同で民事訴訟を起こしたと発表した。純正品の偽造を行う者に対しアマゾンが欧州でブランド品企業と共同訴訟を起こすのは初めて。警察当局にも通報した。悪質な意図を持つ犯罪者などから顧客と販売パートナー、ブランドを保護するためにアマゾンが設置した偽造犯罪対策ユニット(CCU)の統括責任者は、「わが社はわれわれのストアで偽造品を許容しない」と述べ、不正を働く者には断固とした措置を取る方針を強調した。
両社はドイツに拠点を置く同ネットワークの計18のメンバーをベルリン地方裁判所に提訴した。これらのメンバーは◇空となったブラザーの純正品カートリッジを購入したうえで偽のトナーを入れて販売する◇純正品カートリッジと同じ外観の偽造カートリッジを販売する◇純正品であることを示すホログラムラベルを偽造して偽造カートリッジに貼り付け、純正品との違いを分かりにくくしている――という。
ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)の野地勲取締役会長兼社長は、「知的財産権の保護はブラザーにとって最も重要な取り組みの1つとなった。それは単にわが社のブランド、著作権、特許を守るというだけでなく、顧客およびわが社の製品・ブランドに対する顧客の信頼を守ることでもある」と述べた。