TikTokが欧州2カ所にデータセンター増設、年内にデータの域内管理開始

中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の運営会社は8日、欧州ユーザーのデータを安全に管理するための取り組みとして、欧州にデータセンターを増設し、2023年中にデータの域内管理を開始すると発表した。ティックトックを巡っては、ユーザーの個人データや機密情報が中国側に渡るリスクを警戒し、各国で利用を規制する動きが広がっている。欧州委員会が職員に対して同アプリの利用を禁止するなど、EUも警戒を強めており、データ管理体制を強化して情報流出の懸念に対応する。

「プロジェクト・クローバー」と名付けた対策によると、アイルランドに2カ所目のデータセンターを開設し、ノルウェーにも新設する。年内に3つの拠点で欧州ユーザーから収集した利用データの管理を開始し、24年までに移行を完了する。また、従業員によるデータへのアクセスも制限する。

ティックトックのテオ・ベルトラム政府関係・公共政策担当副社長は「われわれはコンプライアンスを重視している。当社のアプローチは米国でもその他の地域でも一貫しており、効果的なデータ管理について各国政府や規制当局、専門家からの助言を歓迎する」とコメントした。

欧州委は2月下旬、「サイバーセキュリティ上の脅威から組織を保護する」ため、職員がティックトックを利用することを禁止すると発表した。同委の職員は業務で使用している公用および個人用のスマートフォンなどから同アプリを削除しなければならず、3月15日までに削除しない場合、欧州委がオンライン会議で使用しているビデオ通話アプリなどが使えなくなる。

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