●年産能力は1,000トン、余剰を輸出して貿易赤字の改善を図る
●トルコは国内に世界最大規模のホウ酸塩鉱床を擁する
トルコ北西部のバンドゥルマで19日、同国初のボロンカーバイド(B4C)工場が開所した。投資額は8,000万米ドル(15億2,000万リラ)に上った。これによりトルコはB4Cを国産化し、余剰を輸出して貿易赤字の改善を図る。
新工場の年産能力は1,000トン。トルコの昨年の輸入量は350トンで、600トン以上を外国に供給できる計算だ。国有企業エディ・マデンは2018年、工場建設に向け中国の大連金馬硼素科技と技術移転を含む提携契約を結んでいた。
トルコは国内に世界最大規模のホウ酸塩鉱床を擁し、同国の輸出鉱物としてホウ素は重要な位置を占める。政府は以前から国産品の高付加価値化を図っており、今回の工場設置もその戦略に合致する。
B4Cは、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素に次ぐ硬度を有するセラミックだ。戦車の装甲や防弾チョッキなどの軍用のほか、原子力用部品、切削工具、ブラスト装置のノズル、研磨剤などに用いられている。(1TRY=7.06JPY)