ロシアIT大手ヤンデックス、米ウーバーとの合弁会社を完全買収

ロシアIT大手のヤンデックスは21日、米ウーバーとのモビリティー合弁会社MLUの
株式29%を7億250万米ドルで買収し、同社を完全子会社化したと発表した。これに
より、ウーバーはロシアから完全に撤退することになる。
両社は2018年にロシア及び近隣諸国の事業を統合して合弁会社を設立した。このう
ち、フードデリバリー、食品宅配、急送便、自動運転の4事業を21年に分社化し、
ヤンデックスが完全買収。モビリティー事業(MLU)についてもヤンデックスが株
式4.5%を追加取得して出資率を71%へ引き上げた。21年の取引総額は10億ドルに
上った。
今回の取引はウーバーが継続保有していたMLU株29%が対象で、21年の契約で認め
られた追加取得オプション権をヤンデックスが行使した形だ。ただ、買収額がこの
取り決めで定められていた18億〜20億ドルを大幅に下回っていることについての説
明はない。ロシア政府が昨年末に、国外企業のロシア事業売却を「市場価格の50%
での取引に限り認める」規定を導入したこととの関連性が指摘されている。
MLUは、タクシー配車、カーシェアリング、電動キックボード賃貸サービスを提供
している。

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