独IT大手ソフトウエアAGは21日、米投資会社シルバー・レイクが同社を買収する計画を明らにした。シルバー・レイクの支援を受けて事業改革を進め、大幅な成長につなげる狙いだ。
シルバー・レイクは株式公開(TOB)を通してソフトウエアAGを買収する。TOB価格は1株当たり現金30ユーロ。これは前日終値を53%、過去3カ月間の加重平均株価を48%上回る水準で、同社を約22億ユーロと評価したことになる。ソフトウエアAGの取締役会と監査役会は買収支持の意向を表明した。
50%プラス1株以上の株式確保をTOBの成立条件としている。ソフトウエアAGの筆頭株主であるソフトウエアAG財団は保有する約30%のうち25.1%をシルバー・レイクに売却することですでに合意していることから、25%弱以上の他の株主が応じればTOBは成立する。
シルバー・レイクは2021年、ソフトウエアAGの転換社債3億4,400万ユーロを取得するとともに、監査役2人を同社に派遣した。そのうち1人は現在、監査役会長となっている。転換社債は株式に転換すると約9%に相当する。
ソフトウエアAGはライセンス中心のこれまでの事業モデルから、クラウド上でソフトを提供するSaaS(サービスとしてのソフトウエア)ベースの事業へと転換することを目指している。ハイテク分野に精通するとともに高い資金力を持つシルバー・レイクは、戦略パートナーとしてこの取り組みを支援する意向だ。ソフトウエアAGの上場廃止を念頭に置いている。