スイスの電池メーカー、ルクランシェは4月25日、イタリアの船社グリマルディ・グループから最新のロールオン・ロールオフ(Ro-Ro)式ハイブリッド(HV)フェリー2隻向けに、容量5メガワット時(MWh)のリチウムイオン・バッテリーシステムを受注したと発表した。2024年の納入を予定する。取引金額は明らかにされていない。
バッテリー蓄電システム(BESS)は28個のバッテリー・ストリングで構成し冗長性を確保している。バッテリーセルはルクランシェのドイツ工場から調達し、スイス国内の工場でシステムとして組み立てる。ルクランシェはすでにグリマルディのRo-Roフェリー9隻に同じバッテリーシステムを供給しており、今回の受注でバッテリー容量は55GWhとなる。 今回、バッテリーシステムを供給するフェリーはグリマルディのハイブリッド船として第5世代にあたり、全長238メートル、全幅34メートル、総トン数は6万7,311トンとなる。積載可能車両数はトラック・トレーラーが約500台、乗用車が180台。硫黄と微粒物質の排出を削減するため、排気ガスの処理装置(スクラバー)を装備している。グリマルディは当該フェリーをイタリアとスペインを結ぶ航路に投入する予定。