金融機関のIT近代化を手がけるフローエックス、3,500万ドルを調達

●レガシーシステムの問題を部分的にではなく総体として解決

●同社の昨年の成長率は前年比で735%を超えた

人工知能(AI)を活用して金融機関のITシステムの近代化を支援するルーマニアのフローエックス(FlowX.ai)がシリーズAラウンドで3,500万米ドルを調達した。事業国際化と製品開発に役立てる。

フローエックスは2021年に創業した。多くの金融機関が、過去の技術や仕組みで構築されているレガシーシステムに阻害されて、新しい製品やサービスを迅速に開発できない問題を抱えていることに着目。使用コンピューター言語を問わず、古いシステムを新しいシステムと統合できる手法を生み出した。AIの活用で、従来、エンジニアの人手に頼っていた作業を自動化し、移行にかかる時間やコストが削減できるという。

リードインベスターを務めた英ドーン・キャピタルによると、レガシーシステムの問題を部分的にではなく総体として解決するため、新たな問題が生じるのを防ぐ特長もある。

これまでに仏BNPパリバ、ハンガリーのOTP銀行、ルーマニアのバンカ・トランシルバニア、ギリシャのアルファバンクなどと提携。テック情報サイト「クランチベース」がベンチャーキャピタル市場調査サイト「ピッチブック」の情報として報じたところによると、昨年の売上高は155万ユーロに過ぎないが、前年比成長率は735%を超えている。

今回のAラウンドでは、既存株主であるハンガリーのデイワン・キャピタル、ポートフォリオン(OTP銀の投資子会社)、ルーマニアのシードブリンクも追加投資した。ルーマニア新興企業によるAラウンド調達額としては、これまでユーアイパス(UIpath)が2017年に記録した2,850万ドルが最高だったが、今回、フローエックスがこれを突破した。

フローエックス社ホームページ

URL:docs.flowx.ai/

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