ポーランド石油最大手PKNオルレンは13日、傘下のベンチャーキャピタル(VC)
ファンド、オルレンVCを通じ、車載電池の循環利用プラットフォームを開発する独
サークノミクス(Circunomics)に出資していることを明らかにした。脱炭素化を
通じた成長戦略の一環。同社のソリューションを活用することで電気自動車(EV)
の二酸化炭素(CO2)排出量を最大50%削減できるという。
サークノミクスのリサイクル・プラットフォームは車載電池の電子証明となるバッ
テリーパスポートに基づき、再利用やリサイクルのタイミングの予測、電池の残存
価値評価、リサイクル市場におけるマッチングサービスを提供している。仕組みは
まず、各地に分散する車載電池のデジタルIDをデジタルツイン技術「サークラー・
ツイン」により可視化し、取引可能な資産としての信頼性を確保する。次に分析
ツールの「サークラー・アナリティクス」により残存価値を評価し、最終的に
「サークラー・マーケットプレイス」を通じて取引されるというものだ。
同社のフェリックス・ワーグナー最高経営責任者(CEO)は、「我々はPKNオルレン
が目指すカーボンニュートラルの目標に大きく貢献できる。同社との提携により新
たな資金源の確保だけでなく、エネルギーと自動車産業に対するより深い洞察と戦
略的な支援も得られる」と述べた。
サークノミクスはオルレンVCが投資する6社目のスタートアップ。同VCは2021年の
設立以来、サークノミクスを含む欧州のテクノロジー企業6社と国外の投資ファン
ド2社に出資しており、これまでの投資額は1億5,000万ズロチ(3,360万ユーロ)に
上る。革新的で迅速な商業化の可能な技術を持つ有望企業に対し、年平均5〜6件の
投資を行う方針だ。(1PLN=34.72JPY)