ドイツ連邦統計局が13日発表した5月の消費者物価指数は前年同月比6.1%増となり、インフレ率は3カ月連続で低下した。ただ、水準自体は依然として極めて高い。これまでに引き続き食料品が最も強く全体を押し上げた。
エネルギーの上げ幅は前月の6.8%から2.6%に縮小した。比較対象の22年5月はエネルギー価格が高騰しており、今年5月はそのベース効果で上昇率が前月同様、相対的に小さかった。製品分野別では天然ガスが25.6%増、電力が12.7%増となったのに対し、石油製品は15.5%低下。下げ幅は暖房油で30.5%、自動車燃料で14.2%に上った。エネルギーを除いたインフレ率は6.5%で、エネルギー込みに比べ0.4ポイント高い。
食料品の上げ幅は14.9%に上った。前月(17.2%)を下回ったものの、物価の構成比率は約12%と大きく、全体を強く押し上げた。上昇率は乳製品(28.2%)、パン・穀物製品(19.3%)、魚介類・海産加工品(19.0%)、砂糖・ジャム・はちみつ・その他の甘味類(17.9%)で大きかった。バターは23.3%下がった。
エネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率は5.4%で前月(5.8%)を下回ったものの、6カ月連続で5%を超えた。
サービスは4.5%となり、前月を0.2ポイント下回った。全国の地域公共交通機関を月49ユーロですべて利用できる定期券「ドイチュラントチケット」が導入されたことで、鉄道やバス・市電を利用できるコンビチケットの料金が平均22.9%低下。全体がやや押し下げられた。住宅修理・メンテナンス(15.8%)、パック旅行(13.6%)は前月に引き続き上げ幅が2ケタ台に達した。
前月比のインフレ率はマイナス0.1%となり、前月を0.5ポイント下回った。食料品が0.3%、エネルギーが1.4%下落。コンビチケットは下げ幅が26.6%に上った。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が6.3%、前年同月比がマイナス0.2%。前月はそれぞれ7.6%、0.6%だった。